気がつけば第3.9世代携帯電話のはずのLTEやWiMAX 2+が「第4世代携帯電話(4G)」として呼称されている中、NTTドコモが開発を進めているのが「第5世代携帯電話(5G)」。
100倍以上の超高速通信に加え、1000倍以上の超大容量通信も実現するというものですが、はたしてどのような技術で成り立っているのでしょうか。
CEATEC JAPAN 2013のNTTドコモブースで行われている5Gの解説。
5Gは周波数の利用効率を引き上げるだけでなく、3.4GHz-4.2GHz帯や4.4GHz-4.9GHz帯など従来よりも高い周波数帯で幅広い帯域幅を有効活用、そしてネットワークの密度を上げることで成り立つというもの。そのために1基地局あたり100アンテナ以上で従来の「マクロセル」よりも範囲が小さい「スモールセル」を構築し、細かい制御を行います。
スモールセルのために多数のアンテナ素子を活用する送信技術を採用
従来技術では今後普及するとみられる4K動画のストリーミング配信には対応できませんが……
スモールセルを用いれば街全体がムラなく高速・大容量通信を可能なエリア(赤い部分)となります。
なお、NTTドコモはLTEを拡張した「LTE-Advanced」向けに、広いエリアをカバーするマクロセルと、人口密集地などトラフィック量が多い局所的なエリアをカバーするスモールセルが共存する「ヘテロジニアスネットワーク(HetNet)」を構築し、複数の周波数帯域を束ねて最大100MHz幅として利用できる「キャリアアグリゲーション」を活用する「高度化C-RANアーキテクチャ」を導入予定。
従来はマクロセル、スモールセルといった基地局を移動するごとに接続しなおしていましたが、同アーキテクチャでは常にマクロセル基地局と通信し続けた上で、エリア内にあるスモールセル基地局と同時接続可能に。これにより駅や大規模商業施設などの通信量が特に多い地域において、集中的にデータ通信容量と通信速度の向上を実現するなど、5Gを見据えた技術開発を進めています。
(関連リンク、拡大画像を参照できるオリジナルの記事はこちらです)